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田中、農業はじめるってよ

山形県大江町で2018年に独立を目指しています。

米の種まき

 4月25日。午前中で種まきを終えました。土を入れた育苗箱に種をまき、覆土して水をかけて完成。これを苗床に置いていきます。上の写真は、種まきと覆土、水かけをする機械ですが、すべて人力でやりました。取っ手を回しながら、スピードを調整して箱に適量の種と土、水が入るようにします。だんだんと早くなり、「ゆっくり」「落として」などの声がかかり、微調整しながら進めました。

 箱を全て置いたら、新聞紙を被せ、その上に有孔ポリ、一番上にワリフをかけます。全て手作業ですが、この後の管理はハウス育苗より手間がかからず、水の調整をしながら育てます。新聞紙やポリ、ワリフは成長を見ながら随時、外していくだけ。

 真ん中のラインの半分は、苗床の状況を見るためにわざと余らせました。水分調整はここを見て行います。軽量培土を使えば運搬は楽だし、人数集めてやればそれ程時間はかからないことがわかりました。米は苗づくりでほぼ品質が決まると言われる程、とても重要な工程です。いい苗に育ってもらいたい。

育苗箱に土入れ

 先月の23,24日。米の育苗箱に土入れをしました。すべて手作業です。この軽量培土は、字の通り、通常の培土より半分の量で済むため、持ち運びが楽だけでなくコストも安くなります。一袋で15枚前後、作ることができる優れものですが、追肥が必要となるのが短所。万能な資材は存在しません。これも苗床作りとおなじで左官の技術を要します。両端に土が溜まるので、ヘラで水平になるようならします。313枚、1日半かけて作りました。面積は1町2反。これで、種まきの準備完了です。

苗床作り

 米の苗づくりが始まりました。2年目の師匠は米を作っているので、稲作の1年間をしっかり見られます。ビニルハウスでなく、水田に苗床を作り、そこに種籾を蒔いた育苗箱を直接置きます。苗の質はハウスより劣るらしいですが、手間暇は外のほうがはるかにかからないらしいです。

 育苗箱2箱と少しの幅を水糸で測り、泥がほぼ水平になるように糸の外からスコップで盛ります。まあ、土木の左官に近い仕事です。一通り盛ったら、ローラで慣らし、その後に大きなコンテナを引っ張りほぼ平らにします。一度でうまくいくはずなく、何回か土を盛りながら仕上げて完成です。

 三辺と真ん中のライン、計4本に育苗箱を300置きます。育苗箱も機械でなく手作業で作りますが、数がそれほど多くないので気が重くはありません。

 米は儲からないと耳にタコができるほど聞きますが、自分が食べる分は作りたいですよ。日本は稲作を中心に発展してきたのは、気候風土に一番適しているから。野菜や果樹は、かなり無理して作っているのが事実。そんなことを泥に足を突っ込んで考えていました。

あぁ、畝りたい(うなりたい)

 トラクターのロータリーを着けるだけでなく、歯を交換することになる作業ができとても貴重な経験をしました。このロータリーは土を耕運するもので、野菜農家には必須のアタッチメントです。工具はラチェットレンチとメガネレンチを使い、34枚の刃を交換。師匠と2人で半日程度かかりました。

 農機具は一見複雑に見えるけど、着脱や部品の交換はとてもシンプルで誰でも取り扱いができます。ボルトやナット、ピンなどで固定するだけなので、外れたりしないのか不安だがかっちりはめれば問題なく動くから不思議です。

 5年程度使うと刃は半分程度に。土といっても石ころや固い土壌を耕運することもあるから、どんどん削れてしまうからです。交換が終わり試運転をして無事に動いたのをみたら、無性に畝りたくなりました。野菜を作りたい、野菜を。営農計画では野菜を組み入れていないから、より気持ちが高ぶった。

「野菜は手間暇かかって、儲からない」

 常日頃から言われているから、その反動もあるだろう。

研修2年目を迎えて

 4月で研修2年目となりました。早いもので大江町に移住して1年がたち、もう春です。ブログ更新は滞っていたのは、ぐうたら癖が出てしまっただけで、病気や怪我も過ごしてます。冬の間のことは振り返りながら書くとして、来春の独立へ向けた動きを中心にサボらず書いていくつもりなので、暇な時に読んでみてください。

雪国の冬をどう過ごすか ~ホウレンソウと啓翁桜~

 大江町山形県内では雪が少ない地域だが、例年150cmは積もる。雪が降る期間、農家はどうやって過ごすか。これは大きな問題だと思う。除雪作業をする、スキーのインストラクターをする、作物を作る、剪定をしてのんびり過ごす、など農家によって様々だ。うちの師匠は、今ではのんびり剪定をして過ごしているが、18歳から48歳までは出稼ぎをしていて、東京はもちろん蔵王スキー場のホテルなどで働き、冬は自宅にいなかったという。

 じゃあ、自分はどうか。収入が途切れるのを防ぐこともあるが、作物は何か作っていたい。生来の怠け者だから体を動かさないとだらけるのと、冬にしかできない作物を作ってみたい気持ちが大きいから。

 今は無加温ハウスでホウレンソウ(3月初旬より順次出荷予定)と啓翁桜(2月下旬から3月初旬順次出荷予定)を栽培している。もちろん1人でなく、師匠とは別の受入農家を含めて数人で。啓翁桜は、もともと興味があった。野菜や果物でなく、勝手がわからない花木を扱ってみたかった。正月に咲く桜(春先まで咲かすことはできる)というのがとても興味を引いた。

 がつがつ稼ぐのでなく、所得目標を決めて無理せずに自分のペースで栽培すれば、負担がかからず、ある程度の収入につながる。除雪作業やハウス栽培など、勉強になることが多くためになっている。

 

啓翁桜の温度調整室。水に浸けて3週間前後で蕾が大きくなり出荷する。

 

順調に育っているホウレンソウ。閉め切ったハウスのなかは温かい。

りんごのふじは別格

 2月半ばになると、りんごは青森県の独占となり、8月末までスーパーの棚に並ぶ。全国シェア60%*1に迫る圧倒的な量を生産していて、長野、山形、秋田を合わせても歯が立たない。蜜が入ると味の劣化が早くなるので、いかに蜜を入れずに作るかで勝負している。普通なら蜜が入らずに苦労するのだが、その逆。なので、わざわざ有袋にしている園地もあるそうだ。

 全国シェアは市場出荷する時に気になるわけで、個人や仲卸などJA以外の取引が主なら味が勝負になり産地はあまり関係ない。師匠が作るりんごは、全てJA以外に販売する。個人贈答がメインだが、様々な業者にりんごが行き渡る。小玉のみや18玉(10kg箱36玉)など、要望は多岐にわたる。毎年、注文通りに出来上がるわけでないのでそれらに対応するのに苦慮している。

 りんごの選別は熟練の技で素早く、基準が何なのかわからない。私は箱作りと詰め、ハンコ押しをしていた。手に持って重さや色具合で蜜入りを判断しているので、そこに凄みを感じた。自分はなんとなくおいしそうだなとぼんやりとした感覚しかない。

 りんごのふじは、昨年11月18日から21日まで収穫した。だいぶ前の話だが、これを贈ったらえらく評判がよかった。贈答用に作っているので葉面散布(ビタミン剤のような効果がある養液)をしているのはもちろん、葉取りや玉回しなどしっかり管理しているからだ。シナノスイート、王琳、秋映えなどの人気品種はあるが、やはり晩生のふじには敵わない。この飽きない味は、ホッとする。ふじといっても、多くの品種がある。師匠の畑は元祖ふじ。農研機構が1962年に種苗登録したもの。

 さくらんぼ、桃、ラ・フランス、りんごで1年の収穫はすべて終わった。食べるというより、これだけ果樹に接したのは人生で初めてだった。果樹農家を目指すから、当然なんだが。

 

収穫直前のふじ。

 

20玉のりんご。このサイズがいちばんおいしい。