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田中、農業はじめるってよ

山形県大江町で2018年に独立を目指しています。

のんびりしていたら11月

 気づいたら11月。あとはりんご(ふじ)の収穫を残すのみとなり、肥料まきや苗木の雪囲いなど細かい仕事をしながら10月後半は過ごしていた。で、明日は雪の予報。決して農業が嫌になったとか、リタイアしたとかではなく、ただブログの更新をサボっていただけ。その日に書かないと、後でやるはまずやらない。時間に余裕があるので、こまめに書いていく。今後ともよろしくお願いします。

桃の収穫がおわった

 桃の収穫が10月1日でおわった。光月という黄色の桃でかため。残りものには福があるじゃないが、おいしい桃だとおススメできる。袋掛けをせず、さらに9月下旬の長雨の影響で半分以上投げた(捨てた)。7本しかないとはいえ、散々な結果で収穫は気分が落ち込むばかり。師匠は奥さんに「忙しいから、わざわざ袋掛けしてもらおうとは思わなかった」と言い訳していた。きちんと栽培管理しないと不作で赤字になることを目の当たりにした。

 ほぼ2か月間、桃の収穫と選果に明け暮れた。これだけ桃を食べ比べたのは初めてだし、老若男女、喜ぶことがよくわかった。剪定や仕上げなど栽培技術はこれから身につけなければならないが、桃を品目の柱にすることはほぼ決めた。

 成木の畑が手に入るのか。苗木から育てたら、金が取れるまでどうしのぐか。問題はあるが、柱が決まり就農計画の輪郭がはっきりしてきた。

枝豆(秘伝)収穫の手伝い

 今年4月に独立した先輩Sさんの枝豆(秘伝)収穫を朝5時から6時30分まで手伝った。1年上のAさんも来たので計3人で3うね(距離は不明だがかなり長い)の枝豆を根っこから刈った。Aさんが上部を専用の農機具で刈り取り、その後、大きなハサミで根っこから1本ずと刈っていく。最後に10数本を一組に束ねてマイカ線で結び、トラックの荷台に乗っける。作業自体は簡単そうに見えるがコツがある。

・根っこは10㎝以上に残す。これより短いと、専用機械で脱さや(選果)すると根っこに近い豆がはじかれてしまう。

・結ぶときはがっちり結ぶ。ほどけるだけでなくかさ高になるので、積載量が少なくなる。

 全体の作業の流れが見えないと個々の作業の注意点が見えない。明日もあるので、これをふまえてテンポよく作業をしたい。

 秘伝はだだちゃ豆の仲間で、この村山地域では高級品種として知られている。この時期に収穫なので真夏のビールがうまい季節に合わないのが難点だが、ブランドは確立されているので価格は安定している。数日前、はじめてこの豆を食べたが豆の味が凝縮されていて抜群においしかった。反収は果樹に比べると低いが、野菜はつなぎでなく一品目は必ず入れたいと考えている。販路や作業スケジュールを考えると枝豆は悪くない。それと、久しぶりに土に触れて作業をして労働のきつさは別にして性に合っていると感じた。

畝に並ぶ刈り取った枝豆。右は明日、収穫する予定。

これで3うね分。落下しないか不安。

 

マルシェに出店~かたい桃のおいしさが広まっている!?~

 

 2日前の16日(金)、七日町レコルトマルシェに販売研修として出店した。七日町は山形駅から徒歩20分と少し離れているが、お洒落な店が立ち並ぶ繁華街で駅前より賑わっている。受入農家さんや先輩から提供してもらった果物や野菜を販売した。

 値段は安い(安すぎるのもある)が、通りがかりの人がちょこっと買うことを考えると強気の値段設定はできない。ももは、1個200円、3個500円に設定した。11時半前から13時半過ぎまで店を構えて、かなりの金額を売上げた。果物だけでなく、枝豆(秘伝)、野菜詰め合わせなどの野菜コーナーがあったのも大きかったと思う。秘伝豆は、だだちゃ豆の仲間。村山地域での知名度は抜群で、とびきり美味い。1時間少しで完売してしまうほど人気だった。値段はもちろん、品ぞろえと試食の工夫がマルシェの売上を左右すると思う。果物は生食のみだから野菜のように工夫しようないが、やはり食べてみておいしいと思わなければ人は財布に手を伸ばさない。

 ももは黄色とだて白桃の2種類を販売した。だて白桃は繊維が緻密で食感がかたい(歯ごたえがある)のが特徴で、実はあまりおいしいくない部類に入ると思う。だが、かたい桃が好みだと言って、だて白桃を買っていく人がかなりいることに驚いた。桃はやわらかくて甘いのが一番という流れは少しずつ変わりはじめているのではないか。歯ごたえのあるかたい桃のおいしさにハマる人が徐々に増えているならば、品種構成を考える時に少し加えても損はしないだろう。“おどろき”という桃はかたい桃の代表格で、熟れた時に食べると歯ごたえはもちろん、その味はおどろくほどおいしい。他の桃と比較できなく、おどろき独自の味がする不思議な桃だった。

 

桃の価格~16、18玉を狙え~

 上の写真は市場価格の速報で、JA出荷場に掲示してある。桃の大きさは、重さで決まる。25、22、20、18、16、15、13が標準規格(単位・玉)で、品種によっては28、12、11まで出荷できる。数字が小さくなるほど重たくなる。大きさと品質(特秀、秀、マル秀)で価格は決まり、大きい玉ほど高い。じゃあ、15や13玉をばんばん作って出荷すればいいかというと、そううまくはいかない。大きい玉は、枝に食い込み傷つきやすいのでロス(捨て玉)が小さい玉より出てしまう。

 写真を拡大しないとわかりづらいが、特秀13、15は2,500円/5kg箱、同じく16、18は2,300円/5kg箱。わずか200円しか変わらない。16,18を中心にロスを最小限に抑えてたくさん作る方が、売上を伸ばすことになる。秀の価格も興味深い。13,15は特秀より200円安い2300円。16,18は2000円、1800円と特秀との価格差が大きくなる。だが、20玉は1800円で特秀との差は200円と13,15と変わらない。

 市場出荷の行先はGMS、地場スーパー、百貨店、専門店、八百屋など様々だが、スーパーマーケットの業態が大きく買い付けている。そうなると、売り場で扱いやすいのは少し大きめの16,18玉となり、値付けもお客さんの手が届きやすい価格をつけられる。20玉は特秀より秀の引き合いが多いから、18玉と同じ価格だと推察できる。これこそスーパーのお買い得品コーナーに並べられる桃なのかもしれない。帰京した際に、いくつかのスーパーを覗いたが、20玉が大玉として扱われていた。逆に13,15はどこへ納められているのかも気になる。市場価格に一喜一憂するのでなく、市場のプレーヤー動向に気を配っていないと、品種構成や目標とする玉の大きさや品質を決めることができない。まずはその栽培技術を身につけるのが先決だが、経営のことをわかってないと売り上げは伸びないし、続けていくことが難しくなる。

 師匠の口癖は、「出荷価格の目標は、おしなべて400円/kg」。市場の取引価格もこれに肉薄している。市場出荷をメインにせず、価格交渉ができる直販や市場外取引に移行しないと経営が厳しいのではという話はまたの機会に。

 

まどかの衝撃

 桃は桃。一切れか二切れ食べれば十分だった。あの甘ったるさが堪えてあまり好きになれなかった。だが、まどかという品種を食べて一変した。雑味がなくてすっきりした甘さ。ほんのりした香り。もう一つ食べたくなるほどおいしい。大玉で日持ちもするので、生産者も消費者にもメリットがある。川中島、白鳳、黄金桃に比べればマイナーだが、このまどかは桃を栽培するならば主力になると思う。

 桃への関心が一気に高まったのは、このまどかを食べてから。お盆休みにおすそ分けしたのもまどか。家族や親せき等に贈答で送ったのもまどか。評判は上々で、「まどかこそ桃」という師匠の言葉が確信に変わった。まどかと川中島を食べ比べると、川中島の渋みがよくわかる。それに川中島は見た目が野暮ったい。こんなことを書いても、桃農家でなければまずわからない。出荷時期がずれるから、お客は食べ比べることはまずできないからだ。だが、川中島の人気は相変わらず高い。買うのはお客だし好みは人それぞれ違うから、ある程度合わせて作っていかないと売上を伸ばすことは難しい。

 桃を作ることになったら、このまどかのおいしさを広めて、1人でも多くのファンをつかみたい。

桃をもらって喜ばない人はいるのか

 お盆休みに師匠が持たせてくれた桃(まどか)10個をできるだけ多くの人に食べてもらった。それだけでなく、桃について聞いたみたところ、嫌いな人はいなかった。むしろ、いただいて恐縮ですと故梨元勝のように反応することに驚いた。

 有機野菜の個別宅配(直販)が厳しいと感じて、果物なら年1から2回だからとってもらうだろうと、安易な考えで果樹に路線変更した。山形ならさくらんぼだが、1人でこなすには厳しいものがある。桃をこれだけ多くの人が好きだったら、まさに直販向きの品目になる。当初はすももの新品種を作りたいと考えて大江町にやってきたが、営農品目の柱にするかというと答えはNO。収穫量とパック詰めが尋常でない量なのと、金がとれにくい。それと直販には不向きといえる。すもも好きなひとはいるが、桃に比べると少ない。わざわざ取り寄せて食べる人は少ないし、贈答になればさらに少なくなる。

 もう1か月以上、桃をもいでいるのだから、関心が強くなるのは当たり前だ。ネックは、岡山、山梨、福島のブランドには足元にも及ばないこと。山形で桃を作っていることを知っているのは、どのくらいいるのだろう。つまり、市場流通や小売りではどうしても弱い立場になる。出荷時期は、8月中旬から9月いっぱいなので岡山や山梨とかぶる期間は少ない。が、福島と競うことになる。そうなると直販のお客をどれだけ掴むかが収益をあげる鍵になる。果物は、味の差が歴然とわかるから、うまいものを作って相手が喜べば、贔屓になってくれる可能性は高い。その前に成木と栽培技術を手に入れなければ話にならないが。