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田中、農業はじめるってよ

山形県大江町で2018年に独立を目指しています。

春の焚き火

 研修初日は、桃とりんごの老木を切り倒して焼却した。病害虫の発生を抑えるには焼却が一番よい。この日は、師匠Tさんと一緒に働いている野菜農家のSさんと仕事をした。細かい枝を同じ向きに揃えて、それから重しとして短く切った幹をその上に置く。ただそれだけだが、枝の切り方や鋸の使い方は正しい方法でやればそれほど力はいらなし、手間もかからない。我流だとただ疲れるだけで効率は悪い。

 チェーンソーの作業はSさんがすべて担当したが、オイルの入れ方は教わった。給油口が2つあり、異なるオイルを給油する。後ろのエンジン部分は、混合油。前は、チェーンオイルで粘性が高い。これを間違えるとお釈迦になる。農業機械は、それぞれに燃料が違うので細心の注意を払わなければならない。混合油は自分で配合して、チェーンオイルは市販品を買っている。2本切ったら、半分程度になるので小屋に戻って前後同時につぎ足す。これ、教わらないとわかりませんよ。

 木を切り倒したら焚き火用にある程度短く切り、トラクターにつなげた荷台に乗せ、焼き場(畑のなか)まで持っていく。トラクターといえば、マルチャーやロータリーしか見たことなかったが、荷台もあったのだ。午後にこれを運転したが、ブレーキはクラッチを切らなければ働かないことがわかった。荷台に剪定枝を積んだままバックしたが、すぐにハンドルをとられて慌ててストップ。前進はつつがなくいった。車の運転は下手くそだが、「合格!」とSさんに言われてホッとした。ちなみに、荷台をつけたまま後進するのはSさんもできないそう。それと危ないと思ったらエンジンを切る。これはとても大事なこと。

 軽トラでなくトラクターの荷台に乗って移動。3速はめちゃくちゃ速く、おまけに揺れるので怖かった。

 半日あればほとんど灰になってしまうほど、火力が強い。木を足していくとどんどん燃えていく。これを囲んでランチと洒落こみたいが、風が吹くと灰が飛び熱風が体を焦がすので、風が吹かない穏やかな日を選んでやりたい。午後はほぼ毎日風が吹くので、早めのランチしかないか。

 灰になる直前の木が一番火力が強い。炭でも同じ。それをここでは、“おき”という。

「おきがたくさんあるうちに、たくさん木もってこい」

「おき少ねぇな」

 この灰は、山菜のわらびのあく抜きとして重宝され、昔は袋に詰めて販売していた。しかし、福島原発事故後は、放射能物質が検出されて出荷は取りやめている。

 研修初日は、焚き火で終わった。