田中、農業はじめるってよ

山形県大江町で2018年に独立を目指しています。

受粉と授粉

 すもも、ラフランス、さくらんぼ、りんご、桃の花はすべて開花して、今は着果へ向かってる。雌しべに花粉がうまくつけば、果実がなる可能性がぐんと高くなる。その条件は、風がない、暖かい、湿っているの3つ。風があると花粉は吹き飛ばされる。暖かければ、ミツバチの活動が活発になりせっせと花から花へ飛び花粉を運んでくれる。3番目の湿っているは意外だった。開花の前に雨が降り地面が湿ることで、雌しべの柱頭が濡れて粘着性が上がるので、花粉が付きやすくなる。糊の役割を果たすということ。ミツバチやその他の虫など、人の手を介さずに受粉することを自然受粉という。

 だが、そう都合よく虫は媒介してくれない。そこで人の手で受粉を施すことが必要になり、これを人工授粉と呼んでいる。やっこ(長い柄の先に羽ばたきが付いたもの)でやるイメージしかなかったが、それ以外に方法がある。切り枝と花粉と石松子(花粉の増量剤)を混ぜて梵天で花に花粉をつける2つのやり方。

 上の写真はすももの切り枝。受粉樹の枝を銀色の袋に入れてたっぷり水を入れて、受粉させたい樹の上部から吊るす。花粉は上から下に落ちるからだ。受粉樹というのは、自家不和合成(他の品種の花粉をもらわないと受粉できない)の品種に実を成らせるための樹で花粉を作るための専用と考えていい。すももの場合、太陽という品種は、ソルダム、ハリウッド、エレファントハートの3種が結実しやすい受粉樹となっている。つまり、自家不和合成の品種が植えてある果樹園にはほぼ受粉樹が植えてある。

 4月下旬の10日程、さくらんぼの畑にミツバチの箱が置かれた。天気がよく暖かいので、ぶんぶんと音を立てながら元気いっぱいにさくらんぼの木々の間を飛び回っていた。佐藤錦や紅秀峰の間には、高砂やナポレオンなどの受粉樹が植えてある。

 りんごの花粉と石松子を混ぜ合わせて、梵天にそれをたっぷり付けて、りんごの花に授粉する。石松子は花粉の量を増やす効果がある。なぜこれを使うかというと、花粉は非常に高価で25gで3000円を超えるからだ。ちなみに石松子も2500円程度。受粉樹の花粉を使わなければ、その分コストがかさむ。色はきれいだが。

 これは花粉を取り出す開葯器(かいやくき)。JAさがえ西村山大江営農センター内になるあるりんごの選果場で見た。どうやって花粉を取り出すのかわかないので、調べてみる予定。