田中、農業はじめるってよ

山形県大江町で2018年に独立を目指しています。

たかが草刈りではない

 雨が降ったりやんだりとはっきりしない天気が続く大江町だが、昨日から晴れて夏に向けて一気に加速し始めた。雑草もぐんぐん伸びて、樹の根元が隠れるほどになった。そこで畑ではどこでもやる草刈りが始まる。鎌や刈払機を使うと思いきや、果樹園では乗用草刈機で雑草を刈る。文字通り、ゴーカートに似た車に乗って園地を走る。刃は座席の下(腹)にあり、長さは調節できる。燃料は車と同じガソリン。一方、トラクターやSSは軽油。

  乗用草刈機はブレーキがない以外は、車の運転と同じで慣れれば操作は難しくない。ではどうやって刈るか。園地の外周を左回り(右タイヤより左側に草がある状態)で走り、渦巻きを描くように刈っていく。あるいは、樹の列を先に1周してから外側を左回りで刈る方法もある。とにかくカーブする回数を減らして大回りで刈るだけ。この説明を読むと簡単にできそうだが、実は難しい。特に車の運転が下手くそな私にとっては。

 上の写真は、桃の畑。一番外側だけ刈った状態になっている。あとは、左回りでぐるぐると回るだけ。下の写真は、刈り取った状態。

 この写真だけ見るときれいサッパリに見えるが、実は同じ箇所を4,5回も通っている。渦巻きを描くように走るだけだから、同じ箇所を2回以上刈ることはないはずだが、コース取りを間違えたのと、カーブまたはUターンが下手なので刈り残しが必ず出てしまったのが原因だ。情けない話だが、タイヤが直に見えるので後進時のハンドル操作とタイヤの動きがよくわかった。結局、スイッチバックをせずに後進するからいつまでたっても行きたい方向に車が向かない。乗用草刈機の運転が車の運転になるとは思わなかった。そろそろ普通にまともに運転できるようになりたい。

 たかが草刈ではないのはうすうす感じていたが、まさか効率的にやるのがここまで難しいとは体験してみないとわからなかった。

「農業は時間をかければいい結果が生まれるのではない。時間をかけても出来は悪いまま。企業だと最初はゆっくりと正確にやることを指導するけど、農業は根本からして違う」

 これは師匠の言葉だが、この言葉が身に染みている。機械でも手作業でも、結局は人の手を使うから、いかに効率的にやるかを考えないと、年中働く羽目になり、よい作物はできない悪循環に陥ってしまう。