田中、農業はじめるってよ

山形県大江町で2018年に独立を目指しています。

桃をもらって喜ばない人はいるのか

 お盆休みに師匠が持たせてくれた桃(まどか)10個をできるだけ多くの人に食べてもらった。それだけでなく、桃について聞いたみたところ、嫌いな人はいなかった。むしろ、いただいて恐縮ですと故梨元勝のように反応することに驚いた。

 有機野菜の個別宅配(直販)が厳しいと感じて、果物なら年1から2回だからとってもらうだろうと、安易な考えで果樹に路線変更した。山形ならさくらんぼだが、1人でこなすには厳しいものがある。桃をこれだけ多くの人が好きだったら、まさに直販向きの品目になる。当初はすももの新品種を作りたいと考えて大江町にやってきたが、営農品目の柱にするかというと答えはNO。収穫量とパック詰めが尋常でない量なのと、金がとれにくい。それと直販には不向きといえる。すもも好きなひとはいるが、桃に比べると少ない。わざわざ取り寄せて食べる人は少ないし、贈答になればさらに少なくなる。

 もう1か月以上、桃をもいでいるのだから、関心が強くなるのは当たり前だ。ネックは、岡山、山梨、福島のブランドには足元にも及ばないこと。山形で桃を作っていることを知っているのは、どのくらいいるのだろう。つまり、市場流通や小売りではどうしても弱い立場になる。出荷時期は、8月中旬から9月いっぱいなので岡山や山梨とかぶる期間は少ない。が、福島と競うことになる。そうなると直販のお客をどれだけ掴むかが収益をあげる鍵になる。果物は、味の差が歴然とわかるから、うまいものを作って相手が喜べば、贔屓になってくれる可能性は高い。その前に成木と栽培技術を手に入れなければ話にならないが。