田中、農業はじめるってよ

山形県大江町で2018年に独立を目指しています。

桃の価格~16、18玉を狙え~

 上の写真は市場価格の速報で、JA出荷場に掲示してある。桃の大きさは、重さで決まる。25、22、20、18、16、15、13が標準規格(単位・玉)で、品種によっては28、12、11まで出荷できる。数字が小さくなるほど重たくなる。大きさと品質(特秀、秀、マル秀)で価格は決まり、大きい玉ほど高い。じゃあ、15や13玉をばんばん作って出荷すればいいかというと、そううまくはいかない。大きい玉は、枝に食い込み傷つきやすいのでロス(捨て玉)が小さい玉より出てしまう。

 写真を拡大しないとわかりづらいが、特秀13、15は2,500円/5kg箱、同じく16、18は2,300円/5kg箱。わずか200円しか変わらない。16,18を中心にロスを最小限に抑えてたくさん作る方が、売上を伸ばすことになる。秀の価格も興味深い。13,15は特秀より200円安い2300円。16,18は2000円、1800円と特秀との価格差が大きくなる。だが、20玉は1800円で特秀との差は200円と13,15と変わらない。

 市場出荷の行先はGMS、地場スーパー、百貨店、専門店、八百屋など様々だが、スーパーマーケットの業態が大きく買い付けている。そうなると、売り場で扱いやすいのは少し大きめの16,18玉となり、値付けもお客さんの手が届きやすい価格をつけられる。20玉は特秀より秀の引き合いが多いから、18玉と同じ価格だと推察できる。これこそスーパーのお買い得品コーナーに並べられる桃なのかもしれない。帰京した際に、いくつかのスーパーを覗いたが、20玉が大玉として扱われていた。逆に13,15はどこへ納められているのかも気になる。市場価格に一喜一憂するのでなく、市場のプレーヤー動向に気を配っていないと、品種構成や目標とする玉の大きさや品質を決めることができない。まずはその栽培技術を身につけるのが先決だが、経営のことをわかってないと売り上げは伸びないし、続けていくことが難しくなる。

 師匠の口癖は、「出荷価格の目標は、おしなべて400円/kg」。市場の取引価格もこれに肉薄している。市場出荷をメインにせず、価格交渉ができる直販や市場外取引に移行しないと経営が厳しいのではという話はまたの機会に。