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田中、農業はじめるってよ

山形県大江町で2018年に独立を目指しています。

りんごのふじは別格

 2月半ばになると、りんごは青森県の独占となり、8月末までスーパーの棚に並ぶ。全国シェア60%*1に迫る圧倒的な量を生産していて、長野、山形、秋田を合わせても歯が立たない。蜜が入ると味の劣化が早くなるので、いかに蜜を入れずに作るかで勝負している。普通なら蜜が入らずに苦労するのだが、その逆。なので、わざわざ有袋にしている園地もあるそうだ。

 全国シェアは市場出荷する時に気になるわけで、個人や仲卸などJA以外の取引が主なら味が勝負になり産地はあまり関係ない。師匠が作るりんごは、全てJA以外に販売する。個人贈答がメインだが、様々な業者にりんごが行き渡る。小玉のみや18玉(10kg箱36玉)など、要望は多岐にわたる。毎年、注文通りに出来上がるわけでないのでそれらに対応するのに苦慮している。

 りんごの選別は熟練の技で素早く、基準が何なのかわからない。私は箱作りと詰め、ハンコ押しをしていた。手に持って重さや色具合で蜜入りを判断しているので、そこに凄みを感じた。自分はなんとなくおいしそうだなとぼんやりとした感覚しかない。

 りんごのふじは、昨年11月18日から21日まで収穫した。だいぶ前の話だが、これを贈ったらえらく評判がよかった。贈答用に作っているので葉面散布(ビタミン剤のような効果がある養液)をしているのはもちろん、葉取りや玉回しなどしっかり管理しているからだ。シナノスイート、王琳、秋映えなどの人気品種はあるが、やはり晩生のふじには敵わない。この飽きない味は、ホッとする。ふじといっても、多くの品種がある。師匠の畑は元祖ふじ。農研機構が1962年に種苗登録したもの。

 さくらんぼ、桃、ラ・フランス、りんごで1年の収穫はすべて終わった。食べるというより、これだけ果樹に接したのは人生で初めてだった。果樹農家を目指すから、当然なんだが。

 

収穫直前のふじ。

 

20玉のりんご。このサイズがいちばんおいしい。